かつお(鰹)

かつお(鰹)

回遊魚であるかつおには旬が2回あります。春先に日本近海を北上するのが「初がつお」、秋に脂がのって南下してくるのが「戻りがつお」です。かつおは「硬魚(かたうお)」が転じたもの。縄文時代から食べられてきましたが、当時は生で食べられることはなく、硬く干したものが産地から送られ、調味料、携帯食として珍重されていました。都などに来た時に硬く干した状態だったため、「硬魚(かたうお)」と呼ばれ、そのまま名前にもなったといわれています。「勝魚」とも書き、武家にとっては武運長久につながる魚ともされていました。かつおはアミノ酸の一種である「ヒスチジン」が多いため、時間がたつとヒスタミンに変わり、アレルギーを引き起こすことがあります。(※1)かつて生食が避けられていたのは、こうした理由からだと考えられています。

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編

食材のトリビア情報

【季節によって味が異なる!?】
かつおは季節によってかなり味わいが異なります。春にでてくる初がつおは、脂がないためたたきがおすすめです。秋に出てくる戻りがつおは、脂があるので刺身にするのがいちばん。季節の野菜、とくに香りのある野菜と合わせるのが、美味しく食べるコツです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 3月~12月
栄養素トピックス たんぱく質が豊富で、栄養成分の約25%を占めます。また、ビタミンB12、鉄、ナイアシンも豊富に含むため、健康に気を遣う方におすすめです。(※1)

(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)たんぱく質、ビタミンB₁₂、鉄、ナイアシン
選び方 身が締まり、透明感のあるものが良質です。赤身が鮮やかなものは新鮮、逆に茶色っぽいものは鮮度が落ちているため、避けましょう。
保存 切り身をペーパータオルで包んでラップをし、チルド室で保存します。しょうゆとみりんで”づけ”にすれば、冷蔵庫で数日間は保存可能です。
調理ポイント 空気に触れると、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が酸化してしまうため、刺身で食べる場合は、サクの状態で買い、食べる直前に切ると良いでしょう。鮮度が落ちやすいため、あまった刺身は照り焼きなどに。臭みがある血合いは、甘辛い角煮にするのがおすすめです。
品種や種類 最もよく食べられているのは「本がつお」。他に、晩秋から冬にかけて美味しい「はがつお」、産地などで限定的に食べられている「ひらそうだがつお」、濃厚な麺つゆの原料となる「まるそうだがつお」などがあります。

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