牛肉

牛肉

肉食は、日本では仏教や神道の影響もあって、古くはタブー視されていました。牛肉を食べるようになったのは、明治政府が食の近代化を目指し、肉食を進めてからですが、たんぱく質源として定着したのは1960年代から。牛肉販売店の部位表示は、ネック、すねを除き、かた、かたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ばら(かたばら、ともばら)、もも(うちもも、しんたま)、そともも、ランプの9つに統一されています。肉のかたさ、やわらかさは、結合組織の量の多少によります。運動の激しいネックやすねは結合組織がよく発達してかたくなります。結合組織はかたくて強いコラーゲンなどのたんぱく質でできています。かたい肉でも2時間くらい煮るとやわらかくなるのは、コラーゲンが溶け出てゼラチンとなり結合組織が少なくなるからです。もも、そとももはタンパク質が多い赤身で、腹側のばらは脂肪が多いです。(※1)

(※1)「食の科学」と「いのちの営み」を考えるたべもの・食育図鑑

食材のトリビア情報

【牛肉1㎏には7~8㎏のエサが必要】
家畜のエサは現在とうもろこしや麦類などの穀物が主です。牛の場合は体重1㎏増やすのに、7~8㎏の穀物が必要とされています。本来、牛は草食動物で牧草を食べますが、穀物で育った牛のほうが肉質がやわらかく旨みが多くなるのです。

知っておきたい基礎知識

旬な時期 通年
栄養素トピックス 牛肉に含まれるたんぱく質には、人間の体内でつくることができず食物からとる必要のある必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、健康に気を遣う方におすすめです。(※1)牛肉の中でも、もも、ヒレには鉄分も多く、体内に吸収されやすい形で含まれています。(※2)

(※1)知っておいしい肉事典
(※2)日本食品標準成分表2015年版(七訂)鉄
選び方 身が締まり、きめが細かいものを選びましょう。新鮮なものほど赤い色が鮮やかで、時間とともに淡くなります。カットされたばかりの断面は、やや黒ずんでいますが、空気に触れるうちに鮮やかな赤色に変化します。
保存 冷蔵庫での保存は、3日程度が目安です。挽肉は傷みが早いので、1~2日が目安です。空気に触れないようにしっかり包み直し、さらに密閉容器や保存袋に入れておきましょう。約1ヶ月が目安で冷凍庫で保存もできます。
調理ポイント かたい肉は肉叩きや包丁の背で叩いて繊維を潰したり、筋を包丁の先で切ったり、酒にしばらく漬けてから調理するとよいでしょう。また、筋繊維に対して、直角に包丁を入れると、食べたときにやわらかく感じます。調理前に室温に戻しておくと加熱し過ぎることなくパサつきを防ぐことができます。
品種や種類 認定されている「和牛」には最も肉質に優れた〈黒毛和種〉、脂は少なく赤身が多い〈褐色和種〉、赤身が多くやわらかい〈日本短角種〉、皮下脂肪が厚くなりやすく赤身が多い〈無角和種〉があります。「国産牛」は一定期間以上日本で飼育された牛で、各地で黒毛和種を中心に飼育方法などを工夫して育てた「銘柄牛」があります。

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