お酒と料理

秋山能久 / 六雁 自宅で楽しむ、和の夏酒 ~ 玉川 Ice Breaker

銀座並木通りに密やかに「六雁」の看板が見える。知る人にだけ開かれた秘密の扉のような佇まいに惹かれエレベーターを登ると、そこには広々としたオープンキッチンで料理人が調理する姿が目に飛び込む。ここはスーパー歌舞伎ならぬ、「スーパー割烹」の店だ。

秋山能久さんは割烹や精進料理店で修業を重ね、現在この店の総料理長。休日は家族のために料理を作るという秋山さんに、自宅で楽しめる美味しいお酒を教えてくださいとお願いしたところ、親密な雰囲気のシェフズテーブルのある個室に案内してくれた。

ストーリーが味に深みをつけてくれる

ストーリーが味に深みをつけてくれる

選んだのは京都・木下酒造が夏場に出す「玉川 Ice Breaker(アイスブレーカー)」。滋賀県産の日本晴という米品種で造られたお酒です。その名にちなんで、ロックでおいしい。僕は家ではまずロックで飲んで、その後冷やに移るということが多いですね。純米吟醸なので、フルーティで清涼感のある香りを持ちながらも、無濾過生原酒ゆえの強さもあります。

この記事の続きを読む